【アイスダンス・フリー】
タチアナ・ナフカの美しさについつい見とれた、その直後。独創的と評判のブルガリアの二人が登場しました。
ゆっくりと踊り出す姿に、思わず宇宙を感じてしまいました。その瞬間、人が踊っている、などということはすっかり忘れてしまいました。
恒星と惑星、愛と憎しみ、創世と終末。「この世の全て」がそこにあるかのようでした。・・・あの美しさを表す語彙がないのが悔しいです。
衣装も動きも音楽も、何もかもが別次元。もう、ただただ、涙があふれるのみでした♪ナフカがさっきそこにいたんだってことすら忘却の彼方でした(笑)
プルシェンコが済んだから個人的に五輪は終了と思っていましたが、最高の感動が待っていました。アルベナ・デンコワ&マキシム・スタビスキーの名は覚えにくいですけど、出来るだけ永く憶えていたいものです。
ただ、残念ながら競技であるがゆえにメダルは取れず、おまけに減点までされてて気の毒でした。しかたのないことと頭ではわかっていますが、少々腹立たしいです。
で、話はナフカに戻りますけど。出て来ただけで「この人は違う」っていうオーラを感じる選手はなかなかいません。ジャネット・リンの類(笑)は、そういうのとは違いますしね。
過去の記憶にあるNo.1は、やっぱりカタリナ・ビットです。音楽が始まる前にさっと片手を下ろしただけで観衆全員をとりこにしてしまう才能。思い出しても鳥肌が立ちます。演技が始まる前に金だ♪って思える才能は凄いです。
あの時は確か、編曲されたものではなくて、元々のハバネラのアリアそのものを使いましたよね。そこも印象深いです。ダークなワインレッドの衣装が、ラストには血まみれのカルメンに見えるという演出は、華のある演技者だからこそ♪・・・としみじみと思い出しながら指折り数えてみれば、もう18年も前なんですね。そうは思えないほど、鮮明に憶えています。
同じ日、日本の選手が世界初の三回転半を飛びましたが、ぼくに言わせれば、価値としてはカタリナの片手の仕草ひとつにすら及びませんでした。今回は本命が怪我でいませんが、だからって誰かさんが頑張ってクアドロルプロしても、流石に金は無理でしょう。
そんなオーラを持つタチアナ・ナフカが出ないんじゃ、女子フィギュアには興味が湧かないです。ミシェル・クァンが出ないからイリーナ・スルツカヤだろう、みたいな状況では・・・。
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