本当は、チリやメキシコのいるグループCを全試合観戦したかったコパ・アメリカですが、何しろここまで地上波放送が開幕戦を含めて2試合しかない有様。ようやく3試合目の放送日が来てみれば、既に大会は準々決勝まで進んでしまっていました。
思えば、波乱また波乱でした。そもそも震災+原発事故で我が国が参加を見送ってしまったわけですし。
そこへ開催前、史上初めてリバープレートが二部降格というショッキングなニュースが流れ、TVには号泣しながら暴動を起こすという器用な(違)人々が映し出されていました。
これに引きずられたわけではないでしょうけど、開催国アルゼンチンの成績は今ひとつ。本邦に替わり急遽出場してくださったコスタ=リカにこそキッチリ勝ちましたけど、結局はウルグアイとせめぎあった末に敗退。一大事です。
というところで放送されたブラジル×パラグアイ。
ブラジル視点で言いますと、うまくいかなかったワールドカップの後は人員が大きく入れ替わることも多いので、それがはっきり露呈するコパを見るのが楽しみなんです。
今回も、ネイマール、チアゴ・シウバ、ガンソなど南アにいなかった勢力が中心に据えられていました。ゲーム的視点では、ついに来たかジャヂソン!ってのもあるんですけど。
しかしメンバーが入れ替わろうと、ブラジルはブラジル。ピッチでの試合前練習は行わず、芝だろうと敵チームだろうと様子を見るのは前半が始まってから。時には最前線で3人プレスして来るパラグアイにも、慌てることなく対処していました。
ただ、フィニッシュの絵が見えません。パトはラストパスを待つばかり?ネイマールはもうちょっと自分で行って欲しかったですし、ガンソはダイレクトパスごっこで120分を終えてしまったような印象です。
オトナに成長していたロビーニョ、というのが救いではありましたけど、攻撃陣は軒並み子供ぞろい。勝利より「らしさ」という哲学なら歓迎しますけど、今回のは相手を舐めていただけとしか思えません。
結局1点も獲れずに120分を終え、PK戦では4人連続で外してしまう体たらく。当然の如く敗れ去って行きました・・・。
ただ、一から十まで悪かったわけじゃありません。若いメンバーたちが深いところまでお互いのプレイを知って生かし合うようになったら──と将来を想像しながら見れば、悲観すべき内容ではなかったのかもしれません。
なぜなら、パラグアイが本当に素晴らしかったから。
90分もたなかったら替えて下さい!俺はとにかくガンガン行きます!と23人が思ってるようなチームでした。
GKビジャールには、1秒で3回スーパーセーブしたかのような見せ場がありました。攻撃陣にもアレが入っていれば・・・というシュートシーンがありました。
何より、120分やって(トーナメントモードにシフトした)ブラジル相手に1点も獲られていないのがすごいです。
あまりシンプルな結論は出したくないんですけど、結局は気迫の問題なんでしょうか?なんとチリまでもがベネズエラに敗れてしまいました。ワールドカップでは最高のチームだと思っていたのに・・・舐めてたのかと問いたいところですけど、こちらは見てないのでノーコメントで。
キリンカップでも超本気+勝利追求モードだったペルー、ワールドカップでの快進撃をそのまま持続したかのようなウルグアイ、そこへパラグアイとベネズエラ。思わぬ顔ぶれで四強が出揃いました。
もしかしたら、南米選手権とは思えないガチガチの勝利至上主義的な勝負が待っているのかも?
こうなったらいっそのこと、「お前等はヤキューでもしてりゃいいんだよ」と長い間バカにされて来たベネズエラが優勝したら面白いんですけど。
翻って、2大超大国はこれでまた軌道修正しなくてはなりません。もしかしたらメンバーも入れ替わっちゃったり?
テベスとメッシは一緒に出さない方が良いような。「苦境を打開する場面」を重視するなら、思い切ってテベスを切った方が・・・。ディエゴもどきは1チームに1人で十分だと思います。
ブラジルは、とりあえず若い衆の成長待ちかも。もちろん精神面の、です。その意味では、欧州の田舎チームやJリーグで頼られる経験が一番。もしこのままマドリーに渡るのなら、ネイマールはダメかも?
長い予選の果てに、世界最高の舞台に現れるのは誰なんでしょう。まだまだ見えて来ないのが現状ですね。今からすっかり見えててもつまらないのは当然としても、今はまさに五里霧中。何ひとつ見えません。
自国開催となるブラジルは・・・?
とりあえずここからは、3位決定戦以外地上波放送があるのでひと安心です。
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